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2013年7月 4日 (木)

冒険の酒場第2回リプレイレポート~トーキョーN◎VA編シナリオ『小さな恋のメロディ』

 先日行われたイベント、冒険の酒場でのプレイレポート~トーキョーN◎VA The Detonation(以下TND)編シナリオ『小さな恋のメロディ』です。

※なお、このアクトは黒骰子団の分科会、トキオノバ会の活動の一環でもあります。

シナリオについて
 今回用意したシナリオはJGC2003で販売されたスペシャルシナリオ集収録の『小さな恋のメロディ』です。オフィシャルのシナリオフォーマットに準拠していますが、通常よりページ数が少ない比較的短いシナリオです。
 概要ついては敢えて書き出しません。リプレイの文面から内容が分かるように心がけますのであしからず。

レギュレーションについて
 このアクトは黒骰子団の分科会、トキオノバ会の活動の一環として行われました。そのため、レギュレーションについてもこれに準じております。

archives~TRPG論考集積所:アクトに参加するみなさんへ
http://kokutoarchives.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-250f.html

プレアクト
 まずは自己紹介でプレイ歴を確認、全員が『N◎VA』未経験、TRPGのプレイ歴自体も一年未満が2人、最長でも3年。なかなかフレッシュなPLたちです。レギュレーションは、追い追いにしてまずシステム紹介・キャラメイクに入りました。

キャスト・参加者
“Other world”イスカ・イカルガ
●ニューロ ◎カブキ タタラ
 電脳空間デザイナー。仮想空間にまるで現実世界にいるかのようなリアリティを与える。その手法はワールドシミュレーションをベースにしており、人は彼を“異界の創造主”と呼ぶ。
 長身のヒョロッとした青年でTシャツとジーンズがトレードマーク。ヤヌス以外のサイバー化はしておらず、このご時世に伊達ではないメガネをかけている。移動は徒歩と自転車。ウェットに限りなく近いニューロ。本人曰く、「リアルに触れていなければバーチャルは造れない」。
 PLはTND初プレイ、TRPG歴1年未満のIさん。

RLより
 サブシートを改めてみていると面白いネタがたくさん見つかった。今回は残念ながらそれを生かすにはプレイが追い付かなかった感じです。本来まっとうな世界の人なので友人が事件に巻き込まれるという形でアドベンチャーに参加したが、そのためキャラ立てに苦労したようだ。メイクの時点で変更を提案できなかったかも考えたが、付きっきりにはなれないのでこの線で行くしかなかったと思う。

“ベビーフェイス”御治・オットー
◎フェイト チャクラ ●カブト
 ストリートの探偵(NIK未加入)。頼まれると断れない性格で、彼の事務所はどこも扱ってくれないような難題を抱えた依頼者が最後にたどり着く駆け込み寺である。
 現実的非暴力主義者で可能な限り人を傷つけないのがモットー。そのため戦闘スタイルは素手による関節技、絞め技を得意とし、オチた被害者を病院に放り込んで行くアフターケアぶりを発揮する。
 筋肉質の小男でお世辞にも美男子とはいえない。“ベビー(ちっちゃいの)”と呼ばれることもあるが、本人はたいして気にしない。
 PLはTND初プレイ、TRPG歴3年目のTさん。

RLより
 TNDは未経験ですがTRPG経験の長さでアクトを引っ張ってもらいました。武田鉄矢の『刑事物語』を彷彿とさせる味のある中年キャラクターですが、PLはご存知なかったようで。これも時代ですかね?

クレオ・ユウレン
◎クグツ カゲ ●カブトワリ
 千早重工後方処理課所属のクグツ、物理的侵入と銃による暗殺を得意とする。
 後方処理を仕事と割り切っており、普段はフレンドリーなナイスガイ。今回は友人のピンチに出会い奔走することとなった。
 PLはTND初プレイ、TRPG歴1年未満のKさん。

RLより
 クールなカゲクグツということでしたが、能力が発揮できる戦闘になる前にアクトが打ち切られてしまったので、不完全燃焼になってしまいました。申し訳ない。

 レギュレーションにもとづき、シナリオを事前に読んでもらったためか、なかなかの水準でキャストが上がってきました。今回のキャラメイクではスタイルと設定を先に決めてもらい、詳しいデータは後から取っていく方式をとっています。メインアクトに入るまで、プレイヤーたちはシナリオを読みながらデータを詰めていました。

メインアクト

シーンについて
 メインアクトのレポートをお送りする前に、トキオノバ会でのシーンの進め方について補足します。
 トキオノバ会が使用するシーンカードはちょっと変わっております。まず絵柄は3点あります。ニューロデッキ改変前の旧版、改変後の新版、そしてマルセイユ版のタロットカードを、メインが新版、旧版とマルセイユ版をサブとした構成で配置しております。また、それぞれにオリジナルのシーンコピーと神業の効果コピーのテキストが載せてあります。
 シーンプレイヤーと主な行動を決定後にシーンカードを引き、その意味するところを話し合います。あとは各人がその意味するところを考えながらロールプレイするというものです(なお、各シーンを解説したテキスト『neuro_deck.txt』は著作権の関係もあり非公開となっております)。
 各シーンレポートの書式を以下に示します。

シーンプレイヤーの推奨スタイル:シーンタイトル(シーンカード名)
シーン名~シーンコピー
 本文~

●オープニングフェイズ
クグツ:ヘッドハント(カブトワリ)
高過ぎた塔~(行く手を阻む)壁が失われる、それはコナゴナに砕け散る
 引き抜き調査の指令、ターゲットを聞くと自分がプライベートで付き合いのある友人トム・オーエンだった。数週間前から彼の息子アルバートの姿が見えない。しかし彼からは被害届も報告もない。これは身内を誘拐して社内機密を持ち出させるという、ブラックオペレーションの典型である。平穏だった日常が“ガラガラと崩れる”音を聞く。

フェイト:浮気調査(カリスマ)
衆人を諭す教皇~世俗的集団による介入(つまり妨害)
 7歳の少女メロディに浮気調査の依頼をされる。なんと彼女は結婚しており、夫アルが浮気しているというのだ。少女の外見とあまりに“俗っぽい”内容との落差に困惑するが、そこは持ち前の(?)人の良さで引き受ける。

ニューロ:恋の行方(クロマク)
闇の奥底に座す隠者~“クロマク”による(あしながおじさん的)介入
 友達のハッカーのアルから結婚するという話を聞かされてから数日後、彼からメッセージが届いた。幸せそうなウェディング・フォト、しかしそこにはあまりにも似つかわしくないメッセージ「Help me」が添えられていた。“陰謀”の臭いをかぎ取ったニューロは解明を決意する。

●リサーチフェイズ
 それぞれの立場から調査を開始するキャストたち、クグツが「オーエンの秘密」にたどり着いたあたりから事態は急展開を始める。

クグツ:オーエンの秘密(バサラ)
奇跡を起こす魔術師~今までにない事実に出会い、(暗い)想像の翼を広げる
 周辺情報をそろえたクグツは直接トム・オーエンにコトの次第を尋ねる。彼は一年前に病死した息子アルバートの意識を開発中のAIアルドールに組み込んでいたのだ。そして最悪の事態が起きていた。AIをテラウェアの工作員に奪われていたのだ。
 “明かされた新事実”に眩暈を覚えるクグツ、社は大損害、友人は最愛の息子を失ったうえ社会的には破滅するだろう。
 オーエンに息子の探索を約束するとその場を後にするクグツ、社への報告は、後だ!

ニューロ:オーエンの秘密(ハイランダー)
天空より降り来たる星~小さな希望の光(というただの気休め)を見つける
 別ルートで事件の真相に近づいたニューロ&フェイト、アルの妻(!)メロディを連れ立ってトム・オーエンの自宅を訪ねた。フェイトに突きつけられた情報から真実を告白し(<真実>)、そして絶望するオーエン。
 そのとき、ニューロがある事実を明らかにする。彼のところに届いたメッセージは、アルがさらわれた後に送られてきたものだった。事態は彼が思っているのとは少し違っているかもしれない。わずかだが、“希望”が見えた。

クグツ:タイトルなし(イヌ)
審判の角笛を鳴らす者~(おざなりな)審議の結果、対象の処遇が決まる
 追加調査でアルがテラウェアの手から自力で脱出していることを知ったクグツはトム・オーエンを自宅に訪ねる。そこで同席していた3人に出会い、自分が得た情報に確信を持つ。アルはまだWebのどこかにいるのだ。
 しかし、ここでトム・オーエンが“逮捕”されてしまう。息子の病死を申告しなかったうえに死体を遺棄した疑い。フェイトが情報を求めた新星市警の千早課長が彼の身柄を確保することにしたのだ。

 あのときのシーンカードはカタナ(呵責なき力の担い手~緊迫した状況下で決定的な行動を取る(しかなくなる))。あのときの“決断”をフェイトは後悔した。

 「詳しい話を聞かせて頂戴」と耳打ちして去る千早課長。まだ、なんとかなりそうだ。

ニューロ:タイトルなし(ミストレス)
臣下を励ます女帝~“母”から物質的な形で恩恵(と称する支配)を受ける
 自宅に戻ったニューロは自らの作品である仮想世界を開放して住民たちを送り出した。創造主の命を受けた異界の住民たちはWeb中を駆け巡りアルを探す!(<タイムリー>)。

ニューロ:たった一つのメモリー(マネキン)
寄り添うしかない恋人~(負の感情で)心魅かれる者に出会い、想いを強くする
 しばらくすると住民の一人(一頭?一匹?)が戻ってきてある方向を指し示した。ニューロがそこに行くと今度は別の一人がいてさらに先を指していた。こうした“矢印”をたどった先に、アルはいた。
 アルはテラウェアの工作員が打ち込んだ電脳麻薬によって記憶不全に陥っていた。手元にあったわずかな手がかり、あのウェディング・フォトをばらまき、工作員の追跡をかわしながら助けを待っていたのだ。
 ニューロから写真の花嫁がメロディであることを聞き、“彼女への想い”から記憶を取り戻すアル。そのとき、Webを巨大メッセージが飛び回る。「メロディは地下鉄で響く」、その片隅に極小文字で「一人でリニアステーションに来い」。メッセージの意味を理解したアルは即座に向かった。

フェイト:小さな恋のメロディ(エグゼク)
張り巡らされた運命の輪~(突然に見えるが)起こるべくして起こった必然的な展開
 事情を説明するために千早課長と密会するフェイト。といっても街を見晴らせるどこかのビルの屋上公園だが。事態を説明するフェイト、反応は悪くない。彼女が関心を持っているのはイエローエリアで起きたカブトの殺人事件だった。
 トム・オーエンが雇ったボディガードがオーエン親子を逃がそうとして、テラウェアの工作員に倒されてしまったというのが、この事件の真相である。
 トム・オーエンの罪はそれほど大きなものではないから成り行きによっては不問に伏しても構わない。特にさきほどの事件の犯人が確保できれば申し分ない。そう千早課長はフェイトに伝えた。

 なかなか厳しい“取引”だな。フェイトは思った。

 “密会”を終えたフェイトが事務所に戻ると、留守番しているはずのメロディがいなかった。DAKには、アルからメッセージが届き、メロディがメモリアルパークに向かったことを示す記録が残されていた。

 次からクライマックス! というところで時間切れ、でした。

RLより
 プレイ自体は非常に興味深いものになりました? が、やはり時間切れは問題です。
 もともと時間がかかるシステムとの評価もすでにありました。対策も用意してきましたが、基本的な傾向を変えることはできませんでした。
 プレイ自体は面白いのだが、時間がかかり過ぎる。時間が足りなくなるから急ぐ、すると説明やフォローが十分にできない、プレイの質が落ちる、という悪循環に陥るわけです。
 特に今回のアクトでは考えられるほぼ最高レベルの難易度となりましたので、ケースワークとしては最適の事例です。経験の浅いプレイヤーでもこの傾向は変わりませんでした。熟練者がそろえばまた結果は変わるかもしれませんが、やはり初心者&システム未経験者がそろってしまう可能性がある以上、コンベンションでの運用は難しいというのが結論です。
 もちろん事前に資料の受け渡しが十分にできる環境でなら、可能だとは思いますが、普及という意味ではコンベンションでのプロモーションができなければ難しいでしょうし、ルール・データ面の肥大化、設定面での粗さなどほかにも問題の多いシステムです。
 次版では特にプレイ時間の傾向が改善されない限り、採用は難しいというのがトキオノバ会の評価です。
 以下は思いついた改良点です。

●サブシートに記入例もしくは記入ガイドが必要
 トキオノバ会では、キャラメイクを助けるサブシートを使用しています。今まで書き方を口頭で伝えていました。これでは内容が正しく伝わらない、あるいは忘れてしまうため、書面を併用した説明に切り替えるべきだと感じました。

●キャストのデータを並べてみると面白いかも
 出来上がったプロフィールやサブシートを並べてみると、記述レベルのばらつきが分かったり、設定の共通点が見つかったりしてキャラ立てのネタ作りに役立つのではないかと思いました。

 最後に、今回参加していただいたプレイヤーの皆さんへの感謝で、このレポートを締めくくりたいと思います。皆さん、キャストにスタイルを貫かせてくれてありがとう! とんがったアクトになったよ! それではまた、どこかで!

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